Core開発ブログ

「やりっぱなしの研修から、やりきる研修へ」 - 能力開発型タレントマネジメントソリューション Core の開発ブログです

上司側面から考える研修のやりっぱなし課題とは?

株式会社ウーシアでCMOを務める杉村です。

研修のやりっぱなし課題について「受講者」「上司」「人事」の3つの側面のうち、前回の「受講者側面でのやりっぱなし」に続き今回は「上司」の側面からについて考えていきたいと思います。

おそらく多くの上司の方は、部下の方に成長してほしいという想いや姿勢で部下に接していることと思われます。 しかし、「学んだことを現場で活用し、フォローすることで成長を促すことができてますか?」と改めて問われると、自信をもってYesと言える上司の方は少ないではないでしょうか?

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そもそも研修による人財育成は、企業の成長にとって不可避ではありますが、研修はそのきっかけにすぎず必要なのは学んだ後の経験で成長することと言えます。 部下の方々が研修で学んだことを現場での仕事の文脈に当てはめ、実際に活用するという一連の取り組みには、研修に即した上司のフォローが重要な役割ではありますが、日々多忙な実務の中ですべての対応されることは難しいのではないでしょうか。

なぜ難しいのか?

部下が研修で学んだことを把握することが難しい

多くのケースにおいてはそもそも部下の方々がどのような研修を受けてきたかを適切に把握できていないことが多いのではないでしょうか。研修タイトルだけでは内容まで理解することは困難ですし、受講者からしっかりとした研修受講報告を受けたとしても、改めて「上司として学んだことをどう生かすつもりか?」と問われると答えるのはかなり難しいと思われます。 まずは「部下の方々が学んだことを理解する」ことが、スタートとなるのではないでしょうか。

研修の学びを継続フォローすることが難しい

研修で学んだことを活用して一定期間一貫性を持った指導を行い、適切なタイミングで応用を促したりフォローすることは理想ですが、部下も複数名いる中で自分の仕事も抱え、限られた細切れの時間の中で育成指導していく状況が一般的だと思われます。 そのため記憶に頼った指導では、勘違いや齟齬が生まれたりするのは仕方がないことと思われます。  まずは「記憶から記録に基づいた指導に転換する」ことが重要ではないでしょうか。

研修⇒成果までの距離がある

 研修で学んだことが成果に直結するケースは稀で、一般的には「頭でわかる⇒行動できる⇒成果が出せる」という段階でとらえる必要があります。

 つまり、「研修で頭でわかりOJTを通して良い行動を繰り返し行うこと」が重要で、それが結果につながるというのが成功体験となり人を育てることになります。  上司は「すぐに結果にフォーカスするのではなく、行動にフォーカスし、結果がでるまで伴走する」ことが重要となります。

研修内容の定着における、上司に求められる役割とは?

米国リーダシップ研修の調査機関であるロミンガー社による調査では、リーダシップをうまく発揮できる様になった人たちにおいて「70%が経験、20%が周囲の人からの影響やアドバイス、10%が研修」という結果があります。 この結果から、
 ①成長には、経験だけではなく上記3つの要素が必要
 ②研修はきっかけにすぎず、重要なのは学んだ後である
 ③人材育成には研修・経験・薫陶の要素をセットとして関連付けて考える必要がある
ということが言えます。

上司に求められる役割は上記③にあたる部分の、 「研修で学んだことを現場で活用し、フォローすることで成長を促すこと」が重要となるかと思われます。



次回は、人事側面から考えた「研修のやりっぱなし課題」について考えていきたいと思います。

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まとめ

  • 上司の役割として求められることとして「部下が研修で学んだことを現場での仕事で実際に活用しフォローするという一連の流れ」を実現すること。
  • 上司を行うポイントは、3つ
    ・「部下が学んだことをどのように活かすか」を具体化すること
    ・部下の結果ではなく行動にフォーカスして指導する
    ・記録に基づく指導を行うこと